『寸胴鍋の秘密』
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ペン・クリニックで初診
2008年02月02日 (土) 21:23 * 編集
アオロラのオプティマを使用してから、一ヶ月ほど経つ。
書くときにペンが紙と擦れる際の感触と発生する音は、アオロラ独特のものだ。スラスラ書くというより、紙の感触を実感しながら、その書き味と音を楽しみながら書く感じである。

デザイン、ボディ色のボルドーは飽きることなく、素敵だ。
しかし、以前にも記したが、書き出しで掠れることがある。
また、書き続けるとインクフローが徐々に渋くなってくる。それにつれて、掠れる頻度も高まってくる。
万年筆を使う上で、これは気分が凹む。
一ヶ月集中して書き倒せば、状況は良くなるはずと書き続けてきたが、変わらない。

ネットでペンクリニックを探し、2月2日から3日、セーラーのペンクリニックがラゾーナ川崎の丸善で開催されるとのこと。ペンドクターは、川口明弘という方。

午前中、用事を済ました後、家を出た。
ラゾーナ川崎の丸善に着いたのは、午後1時少し過ぎ。
店内でペンクリニックの行われている場所を探すと、ペンクリニックの看板と共にペンクリニックの行われているテーブルを発見したが、誰もいない。
もう終わったのかと思ったが、テーブルの上に、「次の開催は2時からです」とのお知らせが置かれていた。昼食時間なのだろう。
受付表に寸胴鍋の名と万年筆の名称、不具合などを書き込み、店員に渡す。
店員は、あなたの前に2~3名の予約客がいますと言う。
丸善を出、こちらも昼食をとることとした。

ラゾーナ川崎には、ラーメン店が数店舗、出店している。
えるびす、ちばき屋、すみれなどである。
すみれは既に食したことがあるので、えるびすとした。
寸胴鍋は、トンコツラーメン、連れは、つけ麺を選択した。
店の名前は聞いたことがあったが、味は特筆すべきことはなく、平均的なものだ。立川にあるパワー軒のトンコツになれた者にとっては、まろやか過ぎるしパンチがない。スープはもっと熱い方がよい。つけ麺も試してみたが、味については同じ感想。

2時5分前にペンクリニックのところに戻る。
既に再開されていた。
テーブルを挟んで、川口ドクターと男性が座っていた。
男性の隣には椅子が一脚。
その後ろに順番待ちの人のために、2つの椅子が置かれていた。
それらにはまだ誰も座っていなかった。
セーラーの社員が居たので、寸胴鍋の名前を告げると、男性の横に座って順番を待つよう指示を受けた。
クリニックを受ける方々の横に座って、彼らの問診やら手術を見ることになった。

既にクリニックの始まっていた男性の方は、2本の万年筆を持参していた。
川口ドクターは、その男性と会話しながら、手術を施していく。
紙やすりのようなものでペン先を擦ったり、ペンチのような工具を使ったり、指先でペン先をいじくったりしている。
ドクターの前に置かれた紙に手術後のペンで書いたあと、男性の方におもむろにペンを差し出す。
男性は、ペンを受け取ると、サラサラと試し書きをする。
感激の声を上げたあと、嬉しそうにニコッと笑った。
手術時間は、10分くらいか。

次は若い男性。
デルタのドルチェのようだ。
彼の場合、クリニックはあっという間に終わり、試し書きしたあと、同じように笑顔で帰っていった。

次は、女性客。
差し出した万年筆のメーカーは分からなかったが、シャレたペンだった。
紙やすりとペンチを使用した診察が進む。
ドクターは、女性の使用しているインクを質問したあと、使用しているインクとペンとの相性の悪さを指摘したあと、ペリカンのインクの使用を勧めた。
診察時間は、5、6分か。
彼女も、安堵した顔付きで席を立った。

いよいよ、寸胴鍋の順番だ。
川口ドクターが、まず聞く。
「どうしました?」
オプティマを差し出したあと、「若干、掠れがある」「インクフローが渋い」「書くほど悪くなる」ことを告げた。
川口ドクターは、頷いたあと、あっという間に、ボディからオプティマのペン軸を外した。
次の瞬間、ペン軸からペン先を引っこ抜いた。
ペンチのようなものでペン先に力を加えた。
その後は、逆の順番で組み立て、ペンを元の形に戻す。
ペンを手に取ると、ペン先に紙やすりのようなもので、ふた擦り半。
「はい、どうぞ」と寸胴鍋にオプティマを渡してくれた。
その間、1分くらいだったろうか。

「魔術ですね」と寸胴鍋。
「そんなものじゃありません。」とドクター。
寸胴鍋のオプティマは、なんでも、毛細血管現象が上手く機能していなかったために、そのあたりを良くしたのだという。
川口ドクターの指はインクで汚れている。
一日、240本の万年筆を診断するのだという。

2月2日の診断時間は、午前10時から午後7時まで、途中、休憩が入り、実働は8時間くらいだろう。1本あたりの診察時間は、2分勘定だ。
寸胴鍋もニコニコして席を後にしたが、この日、200名近くの人が、小さな幸せを実感しただろう。
川口ドクターに感謝である。

帰宅して、じっくり、オプティマで書いてみた。
掠れはまったくなくなった。インクフローは、M800並みではないが、十分。
書き続けるとインクフローが渋くなることもなくなった。
凄いぜ。ペンクリ。



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Comment
・ドクター、素敵!!!
鮮やかですねえ。こういう方、いらっしゃるんですね、びっくり!
職人さんの技って、しびれます。
私も間近で見てみたくなりました。
症状を聞いて、診察しただけで、ぴたりと改善するなんて・・・。
かっこいーーーー。
2008/02/03(日) 21:04:09 * URL * 蓮花 #-[編集]
・すんごいです。
ホント、ぜひ一度ご覧あれ。
素早い指の動きは、手品のようです。ドクターは、ドクターだけに白衣を着ていらっしゃいます。
白衣を着たマジシャンですな。
蓮花さんのお住まいの近くで催される際には、ぜひ、ご覧くださいな。
できれば、調子の良くない万年筆をご持参すれば笑顔になれちゃいます。
2008/02/03(日) 21:28:20 * URL * 寸胴鍋 #-[編集]

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