『寸胴鍋の秘密』
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第三者の目でみる自己の危機
2005年09月23日 (金) 23:00 * 編集
自分の乗ってる飛行機がトラブルを起こして、緊急着陸となった。全世界の視聴者がテレビに映し出される飛行機の映像を見つめている。
そして、その飛行機に搭乗しているお客さんたちも、その映像を見ていた。


米航空会社ジェットブルーの旅客機が21日、離陸直後に前輪が収納不能となったため、ロサンゼルス国際空港への緊急着陸を行った際、乗客が機内の衛星テレビで中継映像を確認していたことが分かった。
乗客のひとり、米週刊誌ニューヨーク・オブザーバーの編集者、アレキサンドラ・ジェイコブスさんは米CNNテレビの取材で、「自分の置かれた状況を自らテレビで確認できたことが皮肉に思えた」と語った。同機が燃料を消費するためにロサンゼルス上空を旋回する間、乗客140人の多くは携帯電話のカメラで写真を撮影したり、お別れのメッセージを書いたりしていたという。(ロイター)

映像は、ほぼ次のようなものだった。
ジェットブルー機は、まず、後輪から接地したあと、少しの時間そのままで減速に努めた。その後、90度ひん曲がった前輪を地上に接した。少しすると前輪のタイヤが摩擦熱でパンクし、煙と炎が上がった。カメラアングルのせいではあったが、その炎がジェットエンジンに吸い込まれてしまうように見えた。
しかし、炎は消え、やがて機体は停止した。

この映像を搭乗客もオンタイムで見ていたのだ。
飛行機で機外の様子を窺い知れるのは、30㎝程度の窓から見える景色だけだ。機体の下で何が起ころうがわからない。
だから、今回、この映像を見られなかったとすれば、乗客は、前輪が接地してからの異常な振動と音に訳の分からない大きな恐怖を感じたと思う。
しかし、今回のようにオンタイムで機体の様子を、前脚の様子を見られることによって、今何が起きているかが良く分かったはずだ。何の振動なのか、何の音なのか、よく理解できた。
人間の感じる恐怖には、無知のために持たされる恐怖があるから、少なくもこの恐怖を軽減はさせたのだろう。

ところで、これは、奇妙な事になってきた。
自己の危機をオンタイムで第三者の目で見られるのだから。

例えば、某国で貴方はアルカイーダに拉致されたとする(素晴らしい発想力だ)。そして、彼らは、貴方の咽喉に刃物を付きつけている。恐怖に引きつる貴方の顔。
そんな映像を貴方自身がオンタイムでテレビ中継で見られるのだ。喉元に冷たい刃物を感じながら。

また、自殺志望の貴方が、ビルの屋上から落下する最中、貴方が頭を下にして落下していく姿を落下中の貴方が小型モニターで見られるのだ。

寸胴鍋は死ぬときには、静かに死にたいと思っている。できれば、家族や友人に看取られながら死にたいと思う。
そんな想いが叶うかどうか、人生の最後のその瞬間を第三者の目で確認できる訳だ。
ベッドの周りにいる人たちの顔をパンしたあと、映像は、ゆっくり下向きになると、ベッドに横たわった寸胴鍋が映る。寸胴鍋は、ベッドの脇に置いてある小型テレビをじっと見ている。
実は寸胴鍋もそんな自分自身をテレビで見ているのだ。

なんとも奇妙なことになってきた。



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TBどうもありがとう。私ももし同じ状況に居合わせたら、見ておきたいしメッセージを書いたと思います。無事に着陸して良かった。飛行機事故の生中継なんて恐ろしい。
2005/09/24(土) 02:17:54 * ::: iLoveDesign! :::
[ロサンゼルス 22日 ロイター] 米航空会社ジェットブルーの旅客機が21日、離陸直後に前輪が収納不能となったため、ロサンゼルス国際空港への緊急着陸を行った際、乗客が機内の衛星テレビで中継映像を確認していたことが分かった。 乗客のひとり、米週刊誌ニュー...
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