『寸胴鍋の秘密』
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餅をつくウサギが消える?
2006年01月29日 (日) 20:48 * 編集
月の砂に含まれるヘリウム3という物質を抽出しようという計画が発表された。

ロシアが、核融合発電のエネルギー源と期待され月面に大量に埋蔵されるヘリウム3の採掘計画に乗り出している。
ロシアの宇宙関連企業「エネルギア」のセバスチャノフ社長は25日、2015年までに月面基地を建設、20年からヘリウム3の商業採掘を開始する計画をぶちあげた。
ヘリウムの同位体元素であるヘリウム3は、核融合で石油の千四百万倍もの膨大なエネルギーを放出、未来のエネルギー源といわれる。月の砂にごく少量均一に含まれ、同社長によれば埋蔵量は100万トン以上の可能性がある。
構想では月面ブルドーザーで月の砂を採掘、処理施設で抽出し宇宙船で一回あたり500キロのヘリウム3を輸送する。同社長は「10トンのヘリウム3でロシア国内の一年分のエネルギー消費をまかなえる」と豪語、価格は1トン当たり40億ドルと設定している。
計画を支持する著名な地球化学者のガリモフ氏は、探査施設の設計や月面の地図作成に入るべきだと主張。ロシア宇宙庁や国内電力会社も計画に賛同しているという。(東京新聞)

この取り組みには、中国も既に関心を寄せている。
中国の通年の発電量に必要なヘリウム3は、8トンとされている。現在の技術からみて、一度に地球に持ち運べる量は13トンと考えられているので、可能性が大きいとしている。

そもそも、ヘリウム3というのは、太陽に多く存在する物質であり、地球上にはほとんど存在しない。
しかし、月面の砂には100万~500万トンも含まれているとされる。
ヘリウム3は、太陽風によって月へ届く。大気のない月では、その表面の砂に吸着される。
月に存在するヘリウム3を活用すると、現在の世界で使われている電力の数千年分のエネルギーが得られると考えられている。
日本全体の1年間の消費電力をまかなうためには、数トンのヘリウム3があればよいとされる。

ヘリウム3は、月の砂を600度以上に加熱すれば得られるらしいが、問題は砂に含まれているヘリウム3の量が少ないことだ。
月の砂に含まれるヘリウム3の割合は、0.001%といわれる。
つまり、ヘリウム3を1トンの抽出しようとすると、月の砂は10万トンが必要になる。
日本全体の1年間の消費電力のためには、数トンのヘリウム3が必要だから、年間、数十万トンの月の砂の処理が必要となる。一日あたりだと、800トン以上の砂を処理しなくてはならない。
これは、日本を想定した場合である。
ロシア、中国、そして、アメリカなどの大国が大挙して月に処理施設を設け、稼動を始めたとすると、どんなことになってしまうのか。

古来、日本から月を眺めると、餅をつくウサギが見える。
これは、月の海と呼ばれる部分が暗いために、そのような姿に見える。
そして、ヘリウム3は、この海の部分に多く含まれるという。
大挙して出かける大国は、効率を求め、海の部分から採掘を始めることだろう。
月の海は、掘り返され、デコボコになってしまう。
早晩、餅をつくウサギは姿を消してしまうだろう。

十数年後、私達日本人は、月を眺めながら、餅をつくウサギを懐かしく思い出すことになるのだろうか。



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