FC2ブログ
『寸胴鍋の秘密』
Top | RSS | Admin
1級建築士の弁明
2005年11月24日 (木) 22:16 * 編集
姉歯秀次1級建築士が聴聞会で語った。数紙から拾ってみる。

大口取引先の支店長から、コストを抑えるよう求められ、構造計算をやり直した。
しかし、支店長から「更に鉄筋を減らせ」と要求され、適法ぎりぎりまで鉄筋を減らして再計算したが、さらに支店長は減らすよう求めてきた。
「これ以上減らすと安全性に問題がありできない。」と言ったが、「他の事務所に代えるぞ」などと迫られ、「大口の取引先で仕事がなくなると生活に困るので要求に従った」
「仕事確保が優先で考えが至らなかったが、今思えば、その時に拒否するべきだった」
「複数の検査機関を経験したが、厳しいところと甘いところがあった。その中でイーホームズ社は甘いと分かった。ある別件では期限ぎりぎりだったので、偽造計算書を提出し、後で(正規文書に)差し替えるつもりだった。ところが審査に通ったのでびっくりした」
「それ(21棟)以外は覚えていない」
「(偽造を始めたのは)ここ数年で、(その前は)しっかりやっていた」

彼は、この業者については支店長の個人名を挙げたという。他の2業者については会社名を述べただけだが、いずれの会社からもコストダウンを迫られたという。
国交省は「いずれも大口の建築主や施工業者だが、具体的な名前は明かせない」としている。これらの経緯について裏付ける資料がないからだという。
どう考えても、こんな経緯を記録した資料なんて残っているはずはないと思うがねぇ。

ところで、伝わる報道からは、この姉歯という男の発言には、一番の被害者である、マンションの住民に言及した部分がまったくない。見事にない。
聴聞会の中で、そのような質問がなかったとしても、どこかで、たとえ一言でもいいから、謝意を表すべきであった。
出てくるのは、やれ「これ以上減らすと安全性に問題がありできない」と抗したとか、やれ「生活に困る」とか、やれ「(その前は)しっかりやっていた」など、自分の保身のみに終始している。

さて、今回は披露されなかったが、気になることがある。
それは、二人が携わったマンションが完成した際、それを見上げて、姉歯一級建築士と支店長が交わした会話だ。
どのようなやり取りをしていたのだろうか。

さらには、どのような気持ちだったのだろうか。
姉歯一級建築士は、自分の生活が守れたと安堵していたのだろうか。
業者支店長は、成し遂げた達成感に満たされていたのだろうか。
そして、果たして、二人はいずれ今日のような日が来ることを想像していたのだろうか。

今、この二人に保身すべきものは、なにもない。



banner_02.gif
スポンサーサイト

* Top *