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『寸胴鍋の秘密』
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大阪姉妹殺人事件
2005年11月20日 (日) 20:22 * 編集
まず、第一報は次のようなものだった。

17日午前3時40分ごろ、大阪市浪速区塩草2のマンション「UB21難波28」401号室から出火。室内から住人のホステス、上原明日香さん(27)と妹の千妃路さん(19)が胸などを刺され倒れているのが見つかり、2人とも死亡が確認された。現場の状況から府警捜査1課は殺人・放火事件と断定、浪速署に捜査本部を設置した。
調べによると、現場は洋室2間と台所の計約70平方メートル。明日香さんは洋室のベッド、千妃路さんは近くの床に倒れていた。ともに左胸の深い刺し傷が致命傷とみられ、顔や腕にも傷があった。玄関近くの廊下に刃渡り約16センチの文化包丁が落ちていた。
室内約10平方メートルが焼けたが、消防がすぐ消火。火元は2人が倒れていた隣室のソファ付近とみられる。玄関ドアと窓はすべて施錠されていた。玄関は室外からカード式の鍵で施錠する仕組みで、捜査本部は犯人が2人を殺害して火を付け、外から鍵を掛けて逃げたとみている。
明日香さんは現場近くにある勤務先の飲食店から午前一時ごろ帰宅したという。(nikkei net 11月17日12時)

現時点まで明らかになっていることをまとめておこう。

<被害者>

■上野明日香さんは、大阪・ミナミの飲食店で働き、上野千妃路さんは、その近くにある別の飲食店で働いていた。姉妹は奈良県平群町出身で、2人の上に兄が1人いる。部屋は明日香さん名義で00年5月入居。約1カ月前から千妃路さんが同居を始めたという。
明日香さんは約4年半前から飲食店に勤め、その店の女性経営者は「面倒見のいい子で客の評判も良かった」と話す。経営者は来春、明日香さんとブライダル関係の会社を設立する予定だった。
「明日香さんはおとなしく、やさしい感じ。大人っぽい雰囲気だった」と幼ななじみは語り、千妃路さんを知る人は「活発で明るい女性だった」と口をそろえる。

<犯行時間>
■明日香さんは、17日午前1時ごろ仕事が終わり、近くの別の飲食店に勤める千妃路さんと待ち合わせ午前1時40分ごろ、自転車二台で一緒に店を出た。
■姉妹とみられる「キャー」という悲鳴を聞いたマンション住民がとっさに携帯電話の時刻を確認、時刻が同2時10分ごろだったことが確認されている。
■司法解剖の結果は、2人は午前2時半ごろに出血死したとみられる。
■姉妹の部屋から煙が出ているのに気づいた住民が119番したのは、17日午前3時40分すぎ。午前3時半ごろ非常ベルが鳴ったが、誤作動と思った1階住民が止め、その後再びベルが鳴った。

<死因>
■出血死。明日香さんは左胸と左ほお、左腕に、千妃路さんは左胸と右ほお、右腕に傷があった。
致命傷は、二人とも左胸の傷、正面から心臓付近を一突きされた。いずれも深さ10数センチ、幅は3・5センチ。傷は背中にまで達していた。

<室内状況>
■部屋は約30平方メートルの2K。外出時にカードを差し込んで鍵をかける方式。
■明日香さんはベッドの上、千妃路さんはそばの床に倒れていた。明日香さんはヨットパーカとジーパン、千妃路さんはTシャツとジーパン姿、着衣に乱れはない。
■部屋の玄関付近の壁などに血痕があった。靴も散乱しており、犯人が部屋に押し入った直後、玄関で姉妹のいずれかを襲ったとみられる。
■消防が到着したとき、玄関ドアと窓はすべて施錠されていたため、エンジンカッターでドアを破った。したがって、犯人は二人を殺害後、玄関ドアを施錠して逃走していると思われる。
■廊下で見つかったタオル2枚には多量の血が付いていた。
■台所の包丁収納場所付近は、荒らされた様子がなく、包丁1本が収納されていた。一方、玄関に近い床の上には、文化包丁(刃渡り16.5センチ)がむき出しのまま転がっていた。この包丁からは、血液反応は出ていない。
■部屋に残された2人の財布から、現金がなくなっていた。2人の財布は、かばんなどから取り出された状態で見つかった。カード類しかなく、紙幣や小銭は入っていなかった。
■明日香さんのカードキーは室内に残されていたが、千妃路さんのものは見つかっていない。
■2人の携帯電話がいずれも室内に残されていた。交友関係の記録が残る携帯電話を現場に残したままにしていることから、姉妹とは面識がない犯人と思われる。
■マンション入り口の北側の路上で、西側に向かって点在する血痕が確認されている。犯人がけがをした際の血痕の可能性もある。
■なお、当日、マンション入り口のオートロックが故障、扉が自由に開閉できる状態になっていた。
■付近は、JR大阪環状線芦原橋駅の東約250メートルのマンションや会社事務所が密集する地域で、保育所や小学校などもある。

<凶器>
■玄関近くの廊下に落ちていた文化包丁からは、血液反応がなく、犯人があらかじめ刃物を用意した上で、室内に押し入った可能性が高い。
■刃渡りは少なくとも13~14センチ、幅は3.5センチ程度の細長い刃物。

<放火>
■犯人が火を付けたとみられるソファ周辺から、油成分が検出されていないことから、失火に見せ掛け証拠隠滅を図ろうと、場当たり的に放火したとみられる。

<不審人物>
■事件前日の16日未明、姉妹が住む部屋の電気が配電盤のトラブルで2回にわたって消えていた。各階にある配電盤のスイッチで特定の部屋の電気を消したりつけたりすることができ、点検した電力会社の係員が「姉妹の部屋のスイッチがいたずらされた」と証言。
トラブルのさなかに配電盤周辺で、明日香さんが眼鏡を掛けリュックを背負っていた男を目撃し、勤務先の同僚や客に打ち明けていた。
■事件当日の17日午前1時ごろ、マンション来訪者の少女が、近くの路上で自転車に乗ったままマンションの方を凝視する男に気付いた。男は自転車のハンドルに手をかけ、カーキ色のジャンパーを着て眼鏡をかけていた。しばらく少女を見て、走り去った。
また、同1時半ごろ、マンションから外出した男子専門学校生(19)も「マンション前の道で、くすんだカーキ色のジャンパーを着てこちらをじっと見る中年の男を見た」と証言。眼鏡をかけ、黒い野球帽姿だった。

<犯行の動機>
■姉妹には事件につながりそうな交友関係のトラブルは確認されていない。
■盗まれたものは、2人の財布に入っていた現金と千妃路さんのカードキー。

以上が新聞報道などで知りうることである。

で、素人探偵の登場である。

上記の情報を総合すると、犯人は、事件の前日に目撃されている「眼鏡を掛けてリュックを背負っていた男」か、事件当夜に目撃されている「カーキ色のジャンパーを着た眼鏡をかけた野球帽姿の中年男」の可能性が高い。カーキ色の男は、自転車に乗っていたというから、近所の者だろう。
これらの男二人は果たして、同一人物だろうか。或いは別人か。
まあ、このような犯罪が起きた現場の前日と事件当日に目撃されているのだから、同一人物と考えるのが自然であろう。
では、果たして、この男が犯人なのであろうか。

姉妹は、前夜に配電盤近くで目撃した不審な男が気になることもあって、事件当夜、待ち合わせて一緒に帰宅したという。
二人で玄関前に立ち、開錠し、ドアを開けてまさに部屋に入ろうとする瞬間、背後から追いかけてきた男に侵入されたのだろうか。男が彼女らを部屋に押し入れるような形になったのか。
気になるのは、千妃路さんのカードキーが無くなっていることだ。事件後、盗まれたのではなく、事件の前に犯人が入手していたとすると、あらかじめ部屋に侵入して、彼女らの帰宅を待っていたケースも考えられる。
いや、これは違う。カーキ色の男が犯人であれば、犯行の1時間前からマンションの前でうろうろ待っていなくてもいいはずだ。
結論としては、彼女らの帰宅を待ち、帰宅した彼女らの背後に密着し、彼女らを押し込む形で部屋入ったのだろう。

部屋に押し入った男は、自分で刃渡り13~14センチ、幅は3.5センチ程度の細長い刃物をあらかじめ用意している。長い果物ナイフのようなものか。
そして、部屋に入るなり、彼女らを殺害しているようだから、部屋に押し入ったときにすでにその刃物を手にしていたのだろう。

彼女らを殺害したあと、姉妹の財布から現金を抜き取り、血のついた手をタオルで拭い、部屋のソファに火をつけた。そして、ドアの鍵を閉め、逃走している。

いったい、殺害の動機はなんだろうか。

どのくらいの現金が彼女らの財布に入っていたのかは不明であるが、大金が入っているわけはない。ホステスとはいえ、若い二人の生活だ、余裕があるわけはない。それは、犯人だって承知だろう。したがって、盗みは動機としては弱い。
姉妹には事件につながりそうな交友関係のトラブルは確認されていないというが、この線はないのだろうか。
犯人と思われる中年男は、前日に配電盤のスイッチを操作し、彼女らの部屋の電気を消している。これは何のためか。前日に凶行に及ぶことを計画していたものの、電力会社の男の登場であきらめたと考えるべきか。そうともとれるし、単なる嫌がらせのような気もする。
最も殺人鬼のような犯人であれば、殺人そのものが動機たりえるわけであるが、そうでないとすると、人間関係に起因するなんらかの問題があったように考えるのが自然だ。

というわけで、カーキ色のジャンパーを着た眼鏡をかけた野球帽姿の中年男が犯人である可能性は否定できないままだが、今手元にある情報の中には、この男と特定する材料もないし、動機も不明だ。

ところで、ちょっと気になることがある。
というのは、この男、重大な犯行に及ぶにしては、目撃されすぎていないか。どう考えても、それっぽい姿で目立ちすぎるのだ。

さらに気になる点がある。上記には載せていない、次の記事だ。
『女性の悲鳴や物音は、午前2時すぎに約5分間でやんでいた。犯人が2人に抵抗する間を与えず、極めて短い時間で殺害したとみられる』
彼女らの死因は、左胸の刺し傷であり、正面から心臓付近を一突きされ、傷は背中にまで達していた。過去の事例を調べてみると、これはなかなか簡単に出来ることではないらしい。
すると、犯人は、殺人に関してまったくの素人ではないのかもしれない。
であれば、目立つカーキ色のジャンパーなどは身に着けないのではないか。

果たして、カーキ色のジャンパーを着た眼鏡をかけた野球帽姿の中年男が犯人か。
或いは、彼は姉妹に対する嫌がらせをしていただけで、真犯人である殺人のプロは別にいるのか。
はたまた、カーキ色のジャンパー男と真犯人は結託していたのか。

素人探偵は早々に退場することとし、警察の事実解明を待とう。



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自壊の恐れあり
2005年11月20日 (日) 15:21 * 編集
読売新聞が2つのマンションについて自壊の可能性があることを伝えている。以下、要約する。

国交省が強度を再計算した結果、船橋市の賃貸マンション「湊町中央ビル」(10階建て)と川崎市の分譲マンション「グランドステージ川崎大師」(9階建て)については、自壊の可能性が高いことが判明した。
この2棟は、耐震強度が建築基準法で定められた基準の3~7割だったことが判明しているが、建築物の骨格である柱や梁に、マンション自体の重みや家具や住民などの重量が常時、どれほどかかっているかを示す「長期応力度」を調べたところ、問題の2棟のマンションのそれは、建築基準法の許容範囲を逸脱していることが分かった。
国交省では「この長期応力度では、5年後とか10年後に、何も起きていなくても柱や梁が折れ曲がってくる恐れもある」とみている。
自壊の可能性も浮上したことで、今後、住民の退去が避けられない見通しとなった。

「湊町中央ビル」の方は賃貸であるが、「グランドステージ川崎大師」は分譲であり、生活権だけではなく、資産の問題もある。
「グランドステージ川崎大師」の竣工は、昨年の9月であるから、住み始めて1年とちょっとである。やっと生活が馴染んできたところだろう。戸数は23戸という。

結果的には建て替えとなるのか。
その費用は、原則的にはヒューザーをはじめとする、建設に関連した企業が負担することになるだろう。
建て替えの場合、当たり前のことに、姉歯建築設計事務所に強度計算を、イーホームズに検査を行わせることはできないので、建て替え建設費は当初建設費には収まらない。確実に一割は高くなる。
更に、今建っているマンションを壊す費用や廃材の処理費用などバカにならない金がかかる。
建て替えの期間、居住者の方々の仮住まいの費用負担もある。
関連した企業は、これらの費用を負担しきれるのだろうか。
出来ないとすると、どうなるのか。
今支払っているローンはどうなるのか。
こうしている時間にも、地震がきたらどうなるのか。
住民の方々の気持ちは不安で覆われ、頭は真っ白になっているだろう。

読売の記事は次の一文で終わっている。


「グランドステージ川崎大師」の居住者からも「不安が増すばかり」との声が上がっており、川崎市が20日、説明会を開く。

10年前に阪神大震災を経験した日本で、自壊する恐れがある脆弱な強度の高層マンションが建てられている。それもおそらく複数。
被害にあった方々だけの問題ではなく、地震国である日本に住む我々の問題として考えていきたい。



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